防湿庫は加湿することができない

冬の時期など空気が乾燥している時期によくいただく問い合わせで「防湿庫D-strage設定値40%※に対して湿度表示が39%以下になっている」というお問い合わせがあります。

※防湿庫D-strageの出荷時の初期設定値は40%になっています。防湿庫運用時の設定に関しては下記ページを参考にしてください。
防湿庫の設定は何%にしておけばカビが発生しないの? カビについての基礎知識 カビ生育編

防湿庫は「除湿」することはできますが「加湿」することはできません

その為、防湿庫は庫内の空気中の水蒸気の量を増やして、湿度を上昇させることはできないので、設定湿度より庫内湿度が下がった時は、防湿庫内の空気中の水蒸気量を増やして湿度を一定に保ち続けることはできません。

なお、湿度を一定に保つことのできる「恒湿器」という機器がありますが、恒湿器は主に研究分野や産業分野などで、電子部品、半導体、食品、薬品等の品質試験や耐久試験などに使用されます。
湿気によるトラブルやカビの発生から収納物を守るという用途には、恒湿器は高価でオーバースペックです。

設定値より部屋の湿度が低い場合は部屋と防湿庫内の湿度が同じ値になる

防湿庫は、庫内の空気中の水蒸気を庫外に放出するその機構上、完全密閉構造ではありません。その為、扉を締め切っている状態であっても、僅かずつではありますが防湿庫外の湿度に近づいていきます。

梅雨や夏の時期のように防湿庫の設定湿度より部屋の湿度が高い場合は、扉の開閉や庫外環境の影響を受けて、防湿庫内の湿度が上昇しても、除湿機能により防湿庫内を設定湿度まで庫内の湿度を下げることができます。

従って空気中に含まれる水蒸気の量が多い梅雨や夏の時期などは、防湿庫の設定値よりお部屋の湿度の方が高くなることがほとんどなので、設定値または設定値+1~+2%の表示になり、ほぼ設定湿度を保つことができます

反対に、防湿庫内の湿度が設定湿度よりも低い場合は、防湿庫は加湿機能が無いので、庫内の空気中に含まれる水蒸気の量を増やすことで、下がった湿度を上昇させることができません。

設定湿度以下の部屋に防湿庫を設置して使用している時に、一旦防湿庫内の湿度が設定値以下になれば、防湿庫は除湿運転を停止します。そのため、お部屋の湿度が上がらない限り、防湿庫を使用しているうちに、いずれ下記の状態に近づいていきます。

「設定湿度 > お部屋の湿度」かつ「設定湿度 > 防湿庫内の湿度」 の時
「お部屋の湿度 = 防湿庫内の湿度」

従って、乾燥している時期は一旦設定湿度よりも庫内湿度が下がってしまうと、防湿庫は加湿することができないので、設定湿度を保つことができません

温度変化により湿度が下がる場合

防湿庫内の空気中に含まれる水蒸気の量が一定でも、湿度は温度の変化により上下します。

湿度と温度の関係につきましては、下記のページをご確認ください。

湿度100%ってどんな状態?同じ湿度50%でも冬と夏では水分量が異なる?相対湿度とは

湿度は温度が上昇すると下がるので、庫内の温度が上昇することで湿度が下がることがあります。

特に、下記のような条件の場所に防湿庫を設置している場合、防湿庫内の温度上昇により設定値よりだいぶ低い値が表示されることもありますのでご注意ください。

  • 暖房の影響を受けやすい場所
  • 日が当たる場所
  • 温度の変化が大きい場所

防湿庫内の湿度下がりすぎは故障?

設定湿度40%に対して表示表示が20%台などで湿度が下がり過ぎている時は、故障ではないかと心配になることもあるかと思います。

防湿庫D-strage湿度表示21%

防湿庫D-strageの場合、除湿運転を示すRUNランプが点灯(DS-31CまたはDS-51Cの場合は水滴マークが点滅)していなければ、除湿運転を停止している状態ですので、防湿庫の故障により湿度が下がり過ぎているわけではありません。

防湿庫の除湿機能は停止していますので、故障により必要以上に除湿してしまったわけではなく、何らかの要因で庫内が設定湿度より大きく湿度が下がってしまっている状態です。

その場合はお部屋の湿度と防湿庫が同じ値になっているか、庫内の温度上昇などが原因で庫内の湿度が下がり過ぎていることになります。

防湿庫が設定湿度よりも低くなっている場合は、防湿庫の扉を開けてみて湿度がどう変化するか確認してみてください。防湿庫の湿度表示がほとんど変わらない場合は、お部屋と庫内が同じ湿度になっていることになります。

防湿庫に何を収納しているかによりますが、もし湿度の下がり過ぎの期間が長く続く可能性が高く収納物に影響があると思われる時は、防湿庫を設置しているお部屋を加湿したり、防湿庫内に水分を含んだ脱脂綿等を入れるなどして、強制的に湿度を上げてご対応ください。