カビはどんな湿度と温度の環境だと発生しやすいのか

防湿庫の役割の一つは、保管しているレンズや精密機器やその他の収納物の劣化の原因となる「カビ」「細菌」「酵母」から収納物を守ることです。

防湿庫に収納して「カビ」「細菌」「酵母」の各微生物の生育を防ぐにはどのような湿度と温度の環境にすることが大事なのでしょうか。
(以下、カビと表記させていただきますが「細菌」「酵母」も含む場合があります。)

カビと湿度

まず最初にカビの生育に不可欠なものが水分です。
文部科学省Webサイトにて確認したところ、様々な種類のカビが存在しますが、湿度60%以下にすることで、そのほとんどの生育を防ぐことができます。

通常では対象とする物質のAwを0.6以下に保持するとカビは全く生育できない。これを維持するために環境の相対湿度を温度変化に拘わらず常に60パーセント以下に保つことが必要である。

一部の酵母は約60%、好乾性のカビの場合は湿度約65%以上の環境で生育可能になることを考えると、カビの生育を防ぐための最低ラインは湿度60%です。

カビと温度

次に、温度に関してですが、下記の表より0~90℃で生育可能で、特に25~38℃の環境がカビの生育に最も適した温度であることが分かります。
低温でもカビは生育可能なので、冷蔵庫に入れても、その他の条件が揃えばカビが生育することになります。

微生物 生育可能温度領域 生育最適温度
カビ 0~40度 25~28度
酵母 0~40度 27~30度
細菌 0~90度 36~38度

以上から判断すると、下記の表のように湿度60%以上、温度25℃以上38℃以下がカビが生育に最適な温湿度環境となります。
また、湿度60%以下であればほとんどのカビの生育条件から外れることになります。

カビの生育と湿度/温度の関係

カビの育成条件は湿度60%以上。温度は0~90℃まで育生可能だが、最も適しているのは25~38℃。

カビの生育に必要なもの

カビが生育するための主な要素は下記の5点です

  • 水分
  • 栄養分
  • 温度
  • 酸素
  • 時間

以上の5点のうちどれかをコントロールできれば、カビの生育を抑制することができます。

カビの発生(生育)を防ぐための防湿庫の湿度設定と使用方法

カメラのレンズ等の収納物自体が「栄養分」であることを考えると、残りの「水分」「温度」「酸素」「時間」をコントロールすることで、カビの生育を防ぐ必要があります。

カビが生育できない湿度まで庫内を除湿する

カビは湿度60%以上の条件で生育するので、防湿庫の設定40%であれば気温が25℃以上のその生育に最も適した気温となる時期でも、40%設定の防湿庫内に収納しておけば、ほとんどのカビの生育を抑制することができます。

可能な範囲でカビの生育に最も適した温度条件から外れる場所に設置する

0~90℃の環境でも生育できるものがいることや一般的な居室に防湿庫を設置することを考えると、カビの生育に最も適した温度環境である25~38℃の温度を避けたいところです。
気温の高くなる時期や暖房の影響を受けて20℃以上の庫内湿度になる時は、涼しい場所に設置場所を変更するなどを検討してください。

防湿庫内にもカビはいるので生育するための時間を与えない

空気中のカビをゼロにすることはできません。

カビの防湿庫内への侵入を完全に防ぐことはできませんので、防湿庫内であってもカビの生育を抑制しているだけであって、カビ自体は庫内に存在していると考えることが重要です。

空気中のカビをゼロにすることはできませんが、カビの数を増やさないような環境にすることが大切です。

濡れたもの等、水分を多く含んだものが防湿庫内にあると、防湿庫内の湿度が一時的に急上昇することがあります。

温湿度の条件やカビ種類によっては、1~2日程度の時間で発芽するカビも存在します。

庫内を可能な限り早く湿度60%以下の湿度環境にして、カビが生育するための時間を与えないようにしてください。
特にカビの生育に適した気温の高い時期に、庫内へ水分が含んだものを入れた際など、たとえ防湿庫内であったとしても、湿度が高い状態が長く続くと、カビの生育に適した条件が揃ってしまうことがあり得ます。

カビが発生したレンズ

しかしながら、一時的に防湿庫内の湿度が上昇したとしても、カビの発芽前に防湿庫内が湿度60%以下になるようにすれば、その生育を抑制できます。

生育を抑制しているだけで、カビの胞子は防湿庫内に存在していることに注意が必要です。

合わせて、可能な範囲でカビの胞子を防湿庫内に入れないように心がけてください。
部屋の換気や空気清浄機を使用して、設置場所の空気中のカビの胞子を少なくしておくことや、防湿庫に収納する前に軽くでもレンズ等を掃除してから収納することも重要です。

防湿庫内は常に60%以下になるように湿度設定する

季節を問わず湿度60%以下の環境であればカビの生育条件から外れるので、防湿庫D-strageの初期設定の40%で十分にカビの生育を抑制することができます。

また可能な範囲で「温度」の管理や空気中のカビを減らすように気をつけることで、よりカビ発生の心配を少なくすることができます。