部屋の湿度計を見ると50%の表示だったとします。
冬の時期ならば「乾燥してきたかな?」なんて思い、部屋の加湿を考えたりしますが、同じ湿度50%でも、夏の気温が高い時期の50%と冬の気温が低い時期の50%では、空気中に含まれる水蒸気の量は大きく異なります。

湿度は一般的に「○○%」と表示されます。これは「相対湿度」で表していることになります。

なぜ、温度には「相対」が付かないのに、湿度には「相対」が付くのでしょうか。

相対湿度

○○%で表される湿度に「相対」が付く理由は「ある温度における空気中に含むことのできる水蒸気の量の最大値を100」として、実際に含まれる水蒸気の量の割合を%で表しているため、温度条件の変化によりその最大値が変わるために「相対」と付いています。

分かりやすくするために相対湿度をレストランに例えてみると…

座席数が20席で来客数が10人のレストランを例にすると、
座席数は空気中に含むことができる水蒸気の最大量、来客数は実際に空気中の存在する水蒸気に例えられます。

相対湿度をレストランの座席とお客さんの数に例えると…

上記の図の場合、相対湿度は「10人/20席」なので50%となります。

温度と湿度の関係

同一の湿度でも温度により水蒸気の量は異なる

上記の座席数20席で10人のレストランは相対湿度50%ですが、下記の図の通り40席で来客数20人の場合も湿度50%になります。

同じ湿度50%でも気温により空気中に含まれる水蒸気の量は異なる

空気中に実際に含まれている水蒸気量を来客数に例えていますので、来客数が倍になっているにも関わらず湿度は同じ50%です。

レストランの座席数(空気中に含むことができる水蒸気の最大量)は、温度変化により増減します。

ある温度で空気が含むことができる水蒸気の最大量を「飽和水蒸気量」と言います。

この「飽和水蒸気量」をレストランの座席数に例えています。

温度が低い場合は、飽和水蒸気量が小さくなるので、上記の左図のように座席数は少なくなります。
反対に温度が高い場合は、飽和水蒸気量が大きくなり、右図のように座席数は多くなります。

したがって、湿度50%の値は同じであっても、温度が高い方がその空気中に含まれる水分量は多いことになります。

寒い時期はオープンテラスの席数を減らし、暖かい時期には増やすというようにイメージすると良いかもしれません。

同一の水蒸気量でも温度変化により湿度は変化する

飽和水蒸気量(座席数)は温度に比例して増減するので、ある一定空間における水蒸気量(来客数)に変化が無い場合でも、
温度の上下に反比例して相対湿度は変化します。

ある一定の密閉された空間において空気中の水蒸気量に変化が無い場合、温度が低下すると飽和水蒸気量が小さくなるので、相対湿度は上昇します。

例えると下記の図の通りになります。

密閉空間で空気中の水蒸気量は変化させずに温度を変化させる

上記の例とは反対に、ある一定量の密閉空間で空気中に含まれる水蒸気の量に変化が無い場合において、温度が上昇した場合は飽和水蒸気量が増加するので、相対湿度は低下することになります。

密閉空間で空気中の水蒸気量は変化させずに温度を変化させる

仮に完全密閉容器に湿度計を入れて容器内の温度を変化させた場合、温度が下がれば湿度は上がり、温度が上がれば湿度は下がることになります。

絶対湿度とは

一般的に湿度○○%と言えば、相対湿度のことですが、純粋に空気中のむくまれる水蒸気の量を示す単位として「絶対湿度(容積絶対湿度)」があります。

絶対湿度…「1kgの空気中に含まれる水蒸気の重さ(g/m3)」


一方、相対湿度は下記の通りです。

相対湿度…「ある温度における空気中に含むことができる水蒸気の最大量(飽和水蒸気量)を100として、実際に含まれる水蒸気量の割合(%rh)」


相対湿度50%であっても温度の条件が異なると、絶対湿度の値は下記の通り3倍以上の差になることがあります。

10℃で湿度50%の時の空気中に含まれる水蒸気の量 4.7g/m3

30℃で湿度50%の時の空気中に含まれる水蒸気の量 15.2g/m3

湿度100%ってどんな状態?

普段何気なく「湿度」という言葉を使っていますが、中学生の理科で習って以来、詳しいことは忘れてしまっている方も多いのではないかと思います。

一般的に湿度とは%で表される「相対湿度」のことを示すことが多く、飽和水蒸気量に対して実際に含まれる水蒸気量の割合を示します。
また、飽和水蒸気量は温度により変化します。

なお、湿度100%になることはそれほど珍しいことではありません。
東京でも2017年9月7日(木)に湿度100%を記録しました。
2018年9月21日(金)にも記録。

本ページのレストランの例で表すと、満席になっている状態です。
満席状態の湿度100%になると、着席できないお客様は、これ以上空気中に水蒸気として存在することはできないので、空気中の浮遊粒子などを核にして霧となって漂ったり、結露したりします。
湿度100%と言っても水中のことではないのでご注意ください。