防湿庫D-strageと湿度計の表示値の差に関して、よくお問い合わせをいただきます。
特に気温の低い時期にお問い合わせをいただくことがあるのが「防湿庫の湿度表示と庫内に入れた湿度計の差が10%以上ある」「複数の湿度計の値がバラバラで差が大きい」といったお問い合わせです。

それぞれの計器に差が生じるケースとしてよくある例をいくつかご案内いたします。

温度の差が原因の場合

それぞれの計器が示す湿度の表示差が10%以上になる場合など、表示差が大きい時に多いのがこのケースです。

防湿庫の温度センサーと湿度計が検知している「温度」の違いにより、湿度の表示に大きく差が出てしまうことがあります。

使用している計器が温湿度計(湿度計単体ではなく温度も確認できる温湿度計を使用されている方が多いと思います)の場合で、防湿庫の湿度表示と湿度計の差が大きいときは、まずはそれぞれがが表示している「温度(℃)」をご確認ください。

なお、防湿庫D-strageをご使用いただいている場合、温度の確認は操作パネルの一番上「湿度アップ/庫内照明ボタン」を押して確認することができます。
ボタンを押すとしばらくの間、温度が表示されます。(DS-31CおよびDS-51Cにつきましては、温度と湿度が常に表示されています。)

仮に防湿庫の湿度表示と温湿度計の温度差が4℃の場合で空気中に含まれる水蒸気量が【絶対湿度 約8.7g/m3】とほぼ同じであっても相対湿度の差は、下記の通り異なります。

1m3内の空気中に含まれる水蒸気の量が【約8.7g/m3】で温度だけ変化させた場合
24℃の時:湿度40%
20℃の時:湿度50%

相対湿度と温度から絶対湿度を算出するのに、下記のツールを使用させていただきました。
株式会社MTI 単位変換ツール 絶対湿度と露店湿度

上記の通り、ある密閉空間内の水蒸気の量がほぼ同じであっても、4℃の温度差で(相対)湿度の差は10%になります。

以前「湿度の表示差が大きい」とのお問い合わせをいただいた時に、それぞれの計器が示している温度を確認してもらうと、その差が5℃程度あることもありました。

試しに、弊社にあった湿度計を防湿庫内に設置して、表示値の値を比較してみました。

防湿庫と庫内に設置した温湿度計

・防湿庫の表示値
(相対)湿度:40%
温度:26℃
絶対湿度:9.76g/m3※

・防湿庫内に入れた湿度計の表示値
(相対)湿度:33%
温度:29℃
絶対湿度:9.50g/m3※

※絶対湿度の算出には「株式会社MTI 単位変換ツール 絶対湿度と露店湿度」を使用させていただきました。

単純に湿度の値だけを比較すると「7%」の差がありますが、温度を組み合わせて、絶対湿度を算出して比較すると0.26g/m3の差となります。
今回の湿度の「7%」の差については、3%の温度差が原因である可能性が高いのではないかと推測できます。

温度差による湿度表示の差に関しましては、冬の寒い時期などによくお問い合わせをいただきますが、暖房をを使わなくなり、温度が安定してくると、温度差による湿度表示差は解消されることが多いです。

計測位置の差が原因の場合

防湿庫D-strageの温湿度センサーは最上部の湿度が表示されている基板上にあります。
防湿庫内の最上部と最下部では、少なからず湿度に差が生じます。(実際にどの程度の差が生じているかは、改めて当ブログで検証をしてみたいと思います。)
特に、縦に長いDS-103M/104M/134M/135Mといった容量の大きい機種では、最上部と最下部で5%程度、湿度に差があることもあります。

また、計測位置により先にあげた温度の差があり、湿度の値に差が生じている場合もあります。

防湿庫D-strage庫内の上部と下部で湿度差がどのくらいあるか計測してみた その1

防湿庫の湿度表示と湿度計の表示を比較される場合は、湿度計を最上段に設置して、可能な限り計測位置による差が無いようにご注意ください。

それぞれの計器の精度や種類による差が原因の場合

防湿庫D-strageの湿度センサーの精度は下記の通りとなります。

±5%(温度条件20-25℃)

なお、全数検査を行っており、基準としている計器は定期的にメンテナンスを行っております。
防湿庫D-strageの湿度表示精度検査につきましては、下記ページをご確認ください。
防湿庫D-strageの湿度表示精度と検査方法

湿度計の種類により、値を示すのに時間がかかったり、温度の条件などによっては正確な値を示すことができないなどの違いがあります。

湿度計の種類やそれぞれの特性などは下記のページをご覧ください。
湿度計の値が信用できない?湿度計測の際に知っておきたい湿度計の種類や精度の違い

弊社で使用している比較的高価な産業研究用の計器の湿度表示精度が±3%(温度条件25℃±2℃)であることを考えると、正確な湿度を計測することが非常に難しいことが推測できます。

上記の通り、湿度計それぞれの種類やその精度が差の原因となることがあります。

故障や劣化が原因の場合

温度や計測位置に差が無い場合で、湿度計の種類や特性による原因以外で、湿度表示値に大きな差が生じている場合は、湿度センサーや湿度計の故障や劣化の可能性があります。

湿度計は経年劣化や指針のズレなどにより正確な計測ができなくなることがあります。

防湿庫の温湿度センサーのトラブルの可能性もありますので、防湿庫と湿度計の湿度表示値の差が気になる場合は、下記までお問い合わせください。

連絡先

D-strage Webサイト お問い合わせフォーム

お電話でのご連絡もお受けしております。

045-250-5066(平日 9:00~17:00)